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1.本剤による母体への影響 妊娠20週以降の妊婦1,178例に本剤を投与した。授乳終了時まで確実に服用し,1歳から1.5歳健診で小児科医などの専門医の診断を受け,アレルギーの有無を確認できた症例は686例であった。投与中止となった理由は服用を忘れたか,飲みにくいということで自ら中止した症例や児の追跡ができなかった症例で消化器症状などの副作用の出現や妊娠中毒症などの妊娠特異的合併症の出現による投与中止となった症例はなかった。また,血液検査でも肝酵素の上昇などの異常値を示した症例はなかった。 2.児に対する影響 児の奇形発生や児の機能異常などは認められなかった。対象例の平均出生体重は3,095±417gで,2,500g以下の低出生体重児の発生率は5.5%で本邦における一般発生率と差がなかった。平均分娩週数は妊娠39.2±1.2週であり,早産率は1.9%と一般発生率5〜10%に比し低い傾向を示した。服用量による分娩週数,早産率,出生体重,低出生体重児発生率などに差がなかった (表5)。 3.児のアレルギー疾患の内訳 児のアレルギー疾患は1歳から1.5歳児検診の小児科医の診断か,その他の症状で皮膚科,耳鼻科などの専門医の診断により行った。その結果,686例中185例にアレルギー関連疾患の存在を認め,その内訳は (表6)に示す。その頻度は喘息様気管支炎,アトピー性皮膚炎が80%を占め,喘息,じん麻疹の順であった。 4.SS-7の服用量とアレルギー発生率 SS-7服用量3g(A1群),9g(A2群),18g(A3群)の3群に分け,それぞれ240例,238例,208例に投与し,それぞれの群における児のアレルギー発生率は25%,28%,27%と各群間に有意差を認めず,容量依存性は認めなかった。全ての対象686例中185例(27%)に何らかのアレルギー性疾患の出現を認めた (表7)。 SS-7投与量による児のアレルギー発生率,児体重,分娩週数などに有意差を認めなかったことから投与量による差を無視できるものとし,以後の検討は母体アレルギー歴ならびに経産婦における既往出生児のアレルギーの有無によるSS-7服用後の児のアレルギー出現率を検討した。 5.初産婦におけるアレルギーの発生率 SS-7服用後の児のアレルギー発症率は初産婦297例中60例(20.2%)であった。初産婦の母体のアレルギー歴のある症例は191例(64%)で,その児におけるSS-7服用後のアレルギーの発生率は20.4%であった。この発生率は母親にアレルギー歴がない児のアレルギー発生率(19.8%)と有意差を認めなかった (表8)。 6.経産婦における児のアレルギー発生率 経産婦389例中,前児にアレルギーの出現した症例が250例(64%)でその群でSS-7服用後のアレルギー出現率は98例(39%)と有意に減少した。母親にアレルギー素因があった症例215例中,既往出生児にアレルギーを認めた症例は147例(68%)であり,その群のSS-7服用後の児のアレルギー出現率は62例(42%)と有意に減少した。母体アレルギー歴がなく既往出生児にアレルギーが出現した103例(59%)中,今回アレルギーが出現したのは36例(35%)で有意に減少した。母体にアレルギーがあり既往出生児にアレルギーがない症例の今回の児のアレルギー出現率は18%であり,初産婦の母体アレルギー素因のない出現率と同等であった。また,母体アレルギー歴がなく,前児もアレルギーがなかった症例のSS-7服用後の発生率は21%と初産婦のアレルギー素因のない発生率と有意差を認めなかった(表8)。 7.血液・生化学検査 血液生化学検査について,母体のアレルギー歴の有無に分けて検討したが投与前,妊娠36週,分娩時,産褥1カ月と有意な変化は認めなかった。また,投与後に異常値を示した症例はなかった。母体血IgEについても検討したが再現性に乏しく,分散が大きいことから投与前後の比較検討はできなかった。 8.アンケート結果 アンケートの回収率は27%であったが,本剤を服用した母親の約半数が児にとって有効であったと答えており,服用後のアレルギーについても前児に比べアレルギーの程度は軽度であったとする意見が多かった。服用してよくなかったとするものは3%であった。母親自身の改善度は約30%でよくなかったとするものは1%であった (表9)。 |
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