V 成  績

1、対象について
 本試験に際して同意を得られてDRD−119 を投与し得た症例は158例である。この中、途 中で投与を中止した脱落例は 24例であり、その理由は、患者の都合により来院しなくなった のが 18例、 飲み難いため中止したのが6例であり、ほとんどが飲用に際しての問題で、 重篤 な副作用による投与中止は1例もなかった。24週間投与継続可能で あった症例のうち、B型 肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変及び アルコ−ル性肝硬変等は除外し、C型慢 性活動性肝炎62例(18g投与群 32例、36g投与群30例)、C型肝硬変44例(18g投与群 24例、 内4例のHCC合併を含む、36g投与群20例、内2例がHCC合併) を検討の対象とし た。C型慢性活動性肝炎症例のうち、インタ−フェロン 非治療例23例をA群、インタ−フェロン 治療を行なったが無効例の39 例をB群としたが、両群間には検査成績の投与前後の推移で 大きな差はなく、 便宜上両群を一括してAB群として統計処理を行なった。

2、生化学検査
(1)総ビリルビン及び直接ビリルビン
 総ビリルビンでは、AB群、C群で投与後に有意の改善 (p<0.05、p<0.01)をみとめた
(図2)。 18gと36g群とでは、 36g群により改善の度合いが強かった。直接ビリルビンでは、
各群ともに投与前後 に差を認めなかった。

(2) GOT
AB群で有意(p<0.05)の改善を認めたが、 C群、D群では投与前後に有意差を認めなか った    
(図3)。18g投与群と36g 投与群では、むしろ18g投与群でより改善傾向が顕著であっ た。

(3)GPT
 AB群で有意(p<0.05)の改善を認めたが、C群、 D群では投与前後に差はみられなかっ た     
(図4)。 18g投与群と36g投与群では、 むしろ18g投与群で有意の改善が認められた。

(4)Al−P
 Al−PはAB群、C群では低下の傾向を、逆にD群では 上昇の傾向を示し、特に36g投与群 ではその上昇は有意であったが、 これがDRD−119によるものか、自然経過によるものかは 不明である。

(5)r−GTP
 r−GTPは18g投与群では低下の傾向を示したが、 36g投与群では上昇の傾向を示すなど 一定の傾向はみられなかった。

(6)コリンエステラ−ゼ
 コリンエステラ−ゼはAB群では18g投与群、 36g投与群ともに変化は認められなかった が、
C群、D群ではいずれも 改善の傾向を認め、特にD群の36g投与群では有意の(p<0.0 5) 改善を認め、容量依存性のある傾向を示した
(図5)

(7)血清総蛋白
 血清総蛋白はAB群では投与前後で変化を認めなかったが、 36g投与群のC群、D群で上昇をみとめ、特に全体ではD群で有意(p<0.05)であった
(図6)

(8)血清アルブミン
 血清アルブミンでは18g、36g投与群とも、AB群、 C群及びD群とも投与前後で差を認めなかった。

(9)血清総コレステロ−ル
 血清総コレステロ−ル値も18g、36g投与群とも、AB、C及びD群で投与前後に差を認めなかった。

(10)血清鉄
 血清Feも18g、36g投与群ともに、AB、C及びD群で投与前後で差を認めなかった。

(11)TTT
 TTTはいずれの群でも投与前に比して投与後に低下傾向をみとめたが、いずれも有意ではなかった。

(12)ZTT
 ZTTではAB群において18g投与群、36g投与群ともに投与後に有意(p<0.05)の低下を 認めた
(図7)。   一方C群、D群では明瞭な低下傾向はみられなかった。

(13)BUN、クレアチニン、尿酸、血液一般検査
 BUN、クレアチニン、尿酸及び血液一般検査は、AB群、C群、D群ともに投与前後の差は、18g、 36g投与群とも認められなかった。

(14)尿蛋白、尿糖、ウロビリノ−ゲン
 尿蛋白、尿糖、ウロビリノ−ゲンも、各群とも投与前後に於いて差を認めなかった。

(15)ICG(R15)
 ICG15分値は、投与前と投与終了時に測定したが、各群とも投与前後に差はなかった。

(16)ヘパプラスチン値
 ヘパプラスチン値は、18g投与群ではAB群に、36g投与群ではC群、D群に改善の傾向がみられたが有意ではなかった。

(17)プロトロンビン値
 プロトロンビン値は18g投与群で、C群、D群に有意(p<0.05)の改善を認めた。36g投与 群ではD群に改善の傾向を認め、全体ではD群に有意(0.05)の改善をみとめた
(図8)

(18)AFP
 投与前後に於いてAFPを測定したが、AB群、C群においては低下の傾向を、D群では上昇 の傾向を認めたが、いずれも有為ではなかった。

(19)HCV−RNA定量
 投与前後に於いてHCV−RNA定量を行なったが、各群ともに一定の傾向はみられず、有為 の低下も上昇もなかった。

(20)OKT4、OKT8
 投与前後に於いてOKT4とOKT8の測定を実施したが、各群ともに投与前後に差を認めなか った。

(21)CD4/CD8
 CD4/CD8を投与前と24週投与後に定したが、各群ともにその差を認めなかった。

3、一般状態(performance status)
 一般状態の変化は表5に示したような5段階評価を投与前後で行なったが、大部分がPS:0 で極少数のPS:1が有ったが、PS:0がPS:1に悪化したり、逆に良好となったような症例は 皆無であった。

4、QOL
 QOLは表6に示したようにQOLアンケ−ト調査により、各症状を4段階に分け、それぞれを数 値としてQOLの改善度を検討した。

(1)食欲
 食欲は各群ともに改善傾向を示したが、D群では有為(p<0.05)で、36g投与群に於いて 顕著であった
(図9)

(2)気分
 気分の爽快感、不快感については、各群ともに投与前後での有為差や一定の傾向は認めら れなかった。

(3)睡眠
 睡眠の良否についても、各群間に投与前後の差を認めなかった。

(4)疲労感、倦怠感
 疲労感、倦怠感については、D群に於いて改善がみられ、全体では有為(p<0.05)であっ たが 
(図10)、AB群、C群では変化がなかった。

(5)腹痛
 腹痛については、各群とも投与前後に差は認めなかった。

(6)便秘
 便秘はAB群で有為の改善がみられ(p<0.05)、18g投与群と36g投与群では、36g投 与群で、より改善の傾向が強くみられた
(図11)

(7)皮膚の痒み
 皮膚の痒みについては、各群ともに投与前後に差を認めなかった。

(8)手足のむくみ
 手足のむくみの程度についても、各群間に投与前後の差を認めなかった。

(9)ぼんやり感
 ぼんやり感は、各群ともに改善傾向を示したが、18g投与のAB群で有為(p<0.01)の改 善を認めた
(図12)

(10)吐き気
 吐き気の改善度も、各群間に投与前後の差を認めなかった。

(11)生きがい
 生きがいの感じかたの改善度は、AB群でとくに改善がみられ、その差は有為(p<0.05) であり、18g投与群に著明にみられた
(図13)

(12)病気への不安
 病気への不安はいずれの投与群でも改善の傾向がみられたが、特にAB群で36g投与群と 全体に有為(p<0.01)の改善が認められた
(図14)

(13)物の取り違え等
 物の取り違えはD群に於いて見られた症状であるが、36g投与群と全体で、有為(p<0.0 5)の改善が認められた。
(図15)

(14)異性への関心
 異性への関心はAB群で改善が認められ、特に18g投与群と全体では有為(p<0.05)で あった 
(図16)。C群、D群でも改善の傾向が認められたが有為ではなかった。

15)日常生活に対する快適度
 日常生活の快適度に対する改善は、特にC群に於いて有為 (p<0.05全体ではp<0.0 1)に認められ、これは18g投与群でも36g 投与群でも同様であった
(図17)

5、インタ−フェロン治療群と非治療群のDRD−119 投与前後の肝機能検査値とQOLの推 移 
DRD−119を投与したC型慢性活動性肝炎患者のうち、 インタ−フェロン治療を行なった群を B群、行なわなかった群をA群として、主な 肝機能検査成績の推移を示した
(表8)。両群間に ほとんど差は見られなかったが、GOT、GPTは非治療群が有為(P<0.05) の改善を投与後 にしめし、ZTTは治療群が有為(P<0.05)の改善をしめした。  HCV−RNA量は、標準偏 差が大きく、一概には論じられないが、 非治療群で投与後に上昇傾向を、治療群では前後に 変化がなかったが、 値自身は治療群が高値を示した。 QOLは、生きがい、病気への不安の 改善 (p<0.05)、異性への関心の上昇(P<0.01)など、 いずれもインタ−フェロン治療群 で、DRD−119投与後に有為の改善が認められた (表9)。 総合評価ではインタ−フェロン 治療群が、肝機能改善度、全般改善度でい ずれも良好な改善を示し、したがって有用度でも2 8.9%対14.8%と治療群で DRD−119を投与した群が上回った (表10)

6、総合評価
(1)安全度
 本試験に際しDRD−119を投与した症例は158例であるが、 この内24例が脱落した。そ の理由は患者の都合により来院出来なくなり中止した症例が18例、 飲み難くて中止した症例 が6例であり、副作用や肝機能の悪化により中止した例はなかった。 本剤は本来、食品であ り、用量に制限はなく、36gまたはそれ以上を一度に服用したり、 他の食品とともに調理する ことも可能である。しかし酵母特有の味と臭気があり、 且つcentauriumの苦みもあるため、粉 末で飲用するのが最も簡便であるが、 顆粒化したり、錠剤化する等、製剤上の工夫も必要で あろう。

(2)総合評価
 肝機能改善度、自他覚症状改善度をあわせた全般改善度は、 改善以上が18g投与群が
1 8.5%、36g投与群が20.8%で、36g投与群が 僅かに上回っていた。

 以上を勘案して有用度は有用以上が18g投与群19.2%、 36g投与群が21.3%であった
(表11)

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