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責任者:馬場克子
福岡市香椎浜2-6-4-406

FAX:092-672-4186

 
W 考   按

 近年、慢性肝炎や肝硬変の大部分がC型肝炎ウイルス感染によることが明らかにされ、治療も ウイルス排除を目的としたインタ−フェロン療法が主流を占めてきた。しかし免疫療法も依然注目されており、いろんな薬剤やホストの免疫能を向上させる試みがなされているが16.17)、昔から の栄養療法も、ウイルス排除を目的とした宿主免疫能の支援という新しい観点から見直されてき た。また肝硬変例では非代償期に陥らないようにする栄養管理が必要となり、且つ肝細胞癌の発生を抑制するような、肝免疫能の強化も栄養療法により達成しようとする試みも成されてきた 18)。肝炎ウイルスを排除しようとして作動する宿主の免疫反応には、宿主側の栄養状態が大きく関 与し、高蛋白食で動物を飼育するとウイルス感染にたいする抵抗力が強くなることが知られている19)。また食品のなかには免疫増強作用を持つ成分が含まれ、リンパ球を活性化させるものや、サイトカイン産生能を高める物質も知られている18)。DRD−119は良質のアミノ酸を多量に含み(アミノ酸スコア:100)且つ還元型グルタチオンや RNAを多量に有しており、薬草成分であるCentauriumの主成分はセコイドイド配糖体(swertia marin,weroside,gentiopieroside,amaroswerin等)、キサントン誘導体(swertianin,swer tianolin等)、トリテルペン及びその配糖体、フラボノイド等でありこれらがそのような作用を有する かは今後の研究に待たねばならない。しかし今回の我々の研究では、肝炎群では炎症の沈静化を、肝硬変群では機能的肝機能残量の回復を認めた。すなはち前者はGOT,GPT,ZTT及び総ビリルビンの肝炎群における有為 の改善であり、後者は肝硬変群における総蛋白、プロトロンビン値、コリンエステラ−ゼの有為の改善であった。殊に、後者は36g投与群により有為であり、これが容量依存性であることを伺わせた。ヘパプラスチン値、プロトロンビン値の肝硬変患者における改善はUDCAとケ−ワンの併用療法により認められたとの報告があり、また経口BCAA療法剤の長期投与によっても肝機能の改 善20)や機能的肝機能残量の増加が代償性肝硬変で認められたとの報告21)もある。DRD−11 9は本来BCAA療法剤ではなく(フィッシャ−比:3.23)、パイロットスタデイの段階では、肝性昏睡の存するような患者に投与すると、むしろ昏睡を悪化させるとの所見も得られている。DRD−119のいずれの成分が有効であったかは不明であるが、酵母とともにCentauriumの 成分が、Biological Response Modifierである可能性がある。今後肝臓癌の進展抑制や発生防止に対する効果の検討も課題であり、長期的な投与と経過観察が必要であろう。経口BCAA療法剤の長期投与による肝硬変患者のQOLの改善が報告されているが21)、DRD−119投与によっても特に肝硬変患者のQOLの改善は顕著であった。これは物の取り違えや、日常生活の快適度等に対する項目で明らかであり、肝硬変患者の生活改善効果が認められた。一方肝炎群のQOLの改善は、病気への不安や、異性への関心の改善等の項目で特に顕著 で、これは生きがいの向上という項目で、有為にあらわされている。これは肝炎の鎮静化により 病気に対する不安が除かれたことが大きく作用していると思われる。HCV−RNAに対しては、投与前後で差はなく、インタ−フェロン非治療群ではむしろ増加しており、インタ−フェロン投与群で増加傾向の見られなかったことと対称的で、DRD−119には直接的な抗ウイルス作用はないと考えられる。また免疫賦活能が期待されたが、CD4,CD8には変化がなく、他のマ−カ−による検討が必要であろう。インタ−フェロン治療例にDRD−119を使用すると、非治療群にたいしてZTTで有為の改善が見られ、QOLも生きがいにつながるQOLの改善が、治療例の方が有為に改善したことから、インタ−フェロン治療時にDRD−119を併用すれば、さらに良い効果が期待出来るのではないかと考えられる。

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